おときレシピ
今月のおとき
Vol.93「車麩の角煮もどき」
食の分野における最近の傾向のひとつに「フードテック」というものがあります。フードとテクノロジーを合わせた言葉で、そのひとつが大豆ミートのような代替品です。味や食感、見た目をできるだけ本来の食品に近づけることを目指して作られたものが、日本でも広く流通しています。
さて、車麩を使った角煮は広義では代替え品と呼べるものですが、豚の角煮に酷似しているかというと……どうでしょうか。
お寺の料理でおなじみの「もどき料理」は、必ずしもフードテックの枠組みに合致するとは限りません。むしろ、個人が家庭の台所で工夫する楽しさが魅力のひとつであるように思います。
制約を「苦」ではなく「しばり」と捉え、楽しみに変える。そんな遊び心を味わってほしい一品です。
材料(2人分)
- 車麩…大2個
- 昆布出汁…適量
- じゃがいも…小2個
- 人参…60g
- さやえんどう…2枚
- サラダ油…大さじ2
【A】
- 砂糖…大さじ3
- 醤油・みりん…各大さじ2
- 八角(粉)…小さじ1/2
- シナモン(粉)…小さじ1
【B】
- 醤油…大さじ2
- みりん…大さじ2
作り方
- 車麩は昆布出汁に漬け、水気をしっかりと絞って4等分に切る。
- じゃがいもは皮を剥むき、一口大に切る。人参は皮付きのまま一口大に切る。ともに水から煮て柔らかくなるまで茹で、Bを加えさらに5分煮て火を止める。
- フライパンにサラダ油をひき、中火にかける。車麩を入れ両面に焦げ目がつくまで焼く。
- 弱火にし、よく混ぜたAをスプーンで少しずつかけながら全体になじませ、2を加えて絡める。
- 器に盛り、茹でたさやえんどうを乗せる。
(ワンポイント)
ソースを車麩にかける工程では焦げないように気をつけるか、一度火を消しても良い。
【監修】青江覚峰
一九七七年、東京浅草生。浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。
カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。NHKをはじめテレビ、新聞などメディア出演も多数。
(機関紙「ともしび」令和7年5月号より)
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