真宗佛光寺派 本山佛光寺

おときレシピ

今月のおとき

Vol.15「梅しそご飯」

 毎年の時期に梅を漬けています。少々手間のかかる作業ですが、わたしが梅干しをつくるようになったきっかけは、水上勉さんの『土を喰う日々』という本でした。食や自然について語られた、こつながらも温かみのある本なのです。
 この中に、漬けてから五十三年経った梅干しの話が出てきます。水上氏が、ご自身の師匠が亡くなったあと、ご遺族から師が漬けた梅干しを分けていただくという内容です。
 このように、梅を長い年月を経ても保存食として食べられるように加工する技術というのは、やはり長い年月を超えて伝わってきた日本人の知恵なのです。
 夏の暑いさなかで食欲がわかないときでも、梅の風味を足してさっぱりとした味わいに仕上げたご飯をいただくことで、食欲も回復、栄養も摂取できるというもの。
 あらゆる点において、梅干しというのは、まさに日本人の知恵の結晶だと言えるでしょう。

材料(2人分)

  • ご飯…1合
  • 大葉…6枚
  • 梅…大1個

作り方

  1. ご飯を通常のあんばいで炊く。
  2. 大葉を千切りにして、ガーゼに包み、流水でもみ洗いし、アク抜きをして水分を切っておく。
  3. 梅干しの種をとり、包丁で刃叩きする。
  4. 大葉をさっとご飯に混ぜて茶碗に盛り、たたき梅を添える。

(ワンポイント)
 大葉をできるだけ細く切ると見た目も美しく出来上がります。

【監修】青江覚峰
 一九七七年、東京浅草生。浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。
 カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。NHKをはじめテレビ、新聞などメディア出演も多数。

(機関紙「ともしび」平成29年8月号より)

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